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周防大島で相続した土地を国に返せる?相続土地国庫帰属制度の条件・費用

執筆者の写真: honmyokazutake1
honmyokazutake1
1 日前
読了時間: 9分

「親から山林や畑を相続したが、使う予定がない」「売ろうとしても買い手が見つからない」「草刈りや固定資産税だけが続いている」。周防大島では、家よりも土地だけが残り、島外の相続人が管理に困ることがあります。

 

こうした土地には、一定の条件を満たせば国へ所有権を移せる「相続土地国庫帰属制度」があります。ただし、いらない土地をそのまま国へ返せる制度ではありません。建物、境界、権利関係、崖、放置物などの審査があり、審査手数料と負担金も必要です。売却や隣地への譲渡と比べたうえで選ぶ制度です。

 

結論:周防大島の相続土地でも申請できます。ただし、建物がある、境界に争いがある、管理を妨げる工作物や放置物がある土地などは、そのままでは難しい可能性があります。申請前の現地確認が最も大切です。

 

2026年の最新動向|申請6,125件、国庫帰属3,231件

 

法務省が2026年10月19日に公表した速報値では、2026年9月30日までの申請は全国で6,125件、国庫帰属は3,231件です。申請地の内訳は田・畑2,372件、宅地2,135件、山林928件、その他690件でした。制度は実際に使われていますが、申請すれば自動的に引き取られるわけではありません。

 

同じ統計では取下げが1,162件あり、そのうち595件は自治体や隣地所有者による引受けなど「有効活用の見込みが生じた」ケース、415件は却下・不承認に当たることが分かったケースです。つまり、法務局への相談や申請準備を進める途中で、売却・寄附・隣地への譲渡という別の道が見つかることもあります。

 

また、法務省は2026年9月25日に申請者・相談者・弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士を対象とした利用者意識調査を公表しました。制度開始から3年を超え、利用実態を検証する段階に入っています。この記事は2026年10月29日現在の制度と公表資料を基にしています。

 

誰が申請できる?

 

  • 相続によって土地の所有権を取得した人

  • 相続人に対する遺贈によって土地を取得した人

  • 制度開始前の2023年4月27日以前に相続した人

  • 共有地の場合は、共有者全員が共同で申請する人

 

売買や贈与だけで取得した土地を、本人の都合で国へ返す制度ではありません。法人も基本的に対象外です。一方、共有者のうち一人でも相続等で持分を取得していれば、売買で持分を取得した共有者を含め、共有者全員の共同申請で利用できる場合があります。

 

相続登記が終わっていなくても、戸籍などで相続により所有者になったことを証明できれば申請できる場合があります。ただし、申請を取り下げた場合や却下・不承認になった場合は所有者のままです。相続登記義務との関係もあるため、司法書士や法務局へ確認してください。

 

周防大島で特に確認したい「申請できない土地」

 

1.建物がある土地

 

母屋だけでなく、現に建物と判断される倉庫や小屋がある土地も原則として申請できません。未登記だから対象になるわけではありません。取り壊す場合は、解体費用だけでなく建物滅失登記、残置物、基礎や浄化槽の扱いも確認します。

 

2.担保権や他人の利用権がある土地

 

抵当権、地上権、賃借権など、他人が利用・収益する権利が設定されている土地は対象になりません。古い登記が残っている場合は、実態がなくても抹消手続が必要になることがあります。

 

3.通路・水路・墓地など、他人の使用が予定される土地

 

周防大島の集落では、登記上は個人所有でも、近隣が長年通路として使っている細い道、水路、ため池、墓地への進入路などがあります。公図と現地利用を照らし合わせずに申請すると、却下要件に当たる可能性があります。

 

4.境界が明らかでない、または争いがある土地

 

境界確定測量が必ず必要という意味ではありませんが、申請者が認識する土地の範囲と境界点を現地で示し、写真と図面にできることが必要です。隣地所有者と位置の認識が違う、土地の所在自体が分からない場合は、土地家屋調査士への相談が先です。

 

境界標・公図・地積測量図の調べ方は、境界標が見つからないときの記事で詳しく説明しています。

 

5.管理に過大な費用や労力がかかる土地

 

勾配30度以上かつ高さ5メートル以上の崖があり、防災措置に過大な費用がかかる土地、管理を妨げる工作物・車両・樹木等がある土地、地下に撤去が必要な物がある土地、通行が妨害されている土地、災害防止措置が必要な土地、追加整備が必要な森林などは不承認となる可能性があります。

 

みかん畑は樹木があるだけで直ちに不承認というわけではありません。しかし、放置された農業設備、倒壊しかけた小屋、農薬や資材、廃車、崩れた石積み、他人の通路などがあれば個別判断になります。山林も、樹木があること自体ではなく、国による追加整備が必要かが論点です。

 

相続土地国庫帰属制度の資料確認、現地写真、法務局審査、負担金納付を示す手描き図
資料と現地をそろえて申請し、審査・承認後に負担金を納める流れです。

 

費用はいくら?

 

申請時:1筆につき1万4,000円

 

審査手数料は土地1筆につき14,000円で、承認申請書に収入印紙を貼って納付します。10筆なら14万円です。複数筆をまとめても審査手数料は軽減されません。取下げ、却下、不承認になっても返還されないため、先に相談して要件を確認する意味があります。

 

承認後:負担金は20万円が基本

 

負担金は国が管理する10年分の標準的な費用を考慮した額で、20万円が基本です。ただし、市街化区域等の宅地・農地や農用地区域等の農地、森林は面積に応じて20万円を超えることがあります。負担金は登記記録の地積で算定され、現況面積との違いがある場合は地積更正等が必要になることがあります。

 

隣接する2筆以上が同じ土地種目なら、一つの土地とみなして負担金を計算する特例を申し出られる場合があります。例えば同じ区分の宅地同士は対象になり得ますが、宅地と森林の組合せでは使えません。申出期限は申請書提出時から承認までです。

 

承認通知と納入告知書が届いたら、通知が到達した日の翌日から30日以内に一括納付します。期限を過ぎると承認は失効し、同じ土地を帰属させるには最初から申請し直す必要があります。負担金を納めた時点で所有権が国へ移ります。

 

必要書類と申請の流れ

 

  1. 土地の登記事項証明書・公図・地積測量図、固定資産税資料などで対象筆を整理する

  2. 現地で建物、境界点、通路、水路、崖、工作物、廃棄物、利用状況を確認する

  3. 法務局の事前相談に、登記事項証明書、地図、境界資料、土地全体の写真を持参する

  4. 承認申請書と添付書類を作り、1筆14,000円の収入印紙を貼る

  5. 法務局の書面調査・実地調査を受ける

  6. 承認後、通知到達の翌日から30日以内に負担金を納める

 

必須書類は、土地の位置・範囲を明らかにする図面、隣接地との境界点を明らかにする写真、土地の形状が分かる写真、申請者の印鑑証明書です。遺贈、相続登記未了、登記名義人と申請者が違う場合などは、戸籍・遺言書・住民票等の追加書類が必要になります。

 

周防大島の申請窓口は柳井出張所ではありません

 

通常の不動産登記では周防大島町は柳井出張所の管轄ですが、相続土地国庫帰属制度の承認申請は、土地所在地を管轄する法務局・地方法務局の本局が窓口です。周防大島の土地は山口地方法務局本局へ相談・申請します。支局・出張所では取り扱っていません。

 

山口地方法務局本局は山口市中河原町6番16号、相続土地国庫帰属制度の問い合わせ電話は083-922-2297です。窓口申請のほか、書留郵便またはレターパックプラスによる郵送申請もできます。ただし、島外所有者でも現地写真と境界資料は必要です。

 

法務省Q&Aでは標準処理期間を8か月としていますが、資料不足、現地調査、境界、関係機関への照会などにより超える場合があります。売却を急いでいる、固定資産税の時期までに手放したい、といった短期の出口として考えない方が安全です。

 

申請前の実務チェックリスト

 

  • 取得原因が相続または相続人への遺贈である

  • 共有地なら共有者全員が共同申請できる

  • 対象土地の地番と筆数を把握している

  • 登記・未登記を問わず、建物が残っていない

  • 抵当権、賃借権など他人の権利が残っていない

  • 境界点と土地全体を現地で示して写真にできる

  • 近隣の通路、水路、墓地、農道として使われていない

  • 廃車、資材、放置物、危険な工作物、地下埋設物がない

  • 崖や土砂災害、荒廃森林など追加管理の問題を確認した

  • 審査手数料・解体撤去費・測量費・負担金を比較した

  • 売却、隣地への譲渡、自治体等への寄附も同時に検討した

 

よくある質問

 

Q.古い未登記小屋なら残っていても大丈夫ですか?

 

未登記かどうかではなく、現地の構造物が法令上の建物に当たるかで判断されます。建物に当たれば原則申請できません。小さな物置でも、建物に当たらない場合は管理を妨げる工作物として別の審査対象になります。

 

Q.境界確定測量は必ず必要ですか?

 

必ずしも一律に必要とはされていません。ただし、申請者が認識する範囲を図面と現地の境界点で示し、隣地との争いがないことが必要です。所在や境界が分からず写真を作れない場合は申請できません。

 

Q.島外に住んでいても申請できますか?

 

郵送申請は可能です。家族が書類提出を手伝うこともできます。しかし、現地確認や境界写真が不要になるわけではありません。みかんいりこ不動産は現地状況の整理を支援できますが、境界判断は土地家屋調査士、戸籍や相続登記は司法書士、申請書作成の代理範囲は法務局が案内する資格者へ確認してください。

 

Q.国に返すのと売却、どちらが先ですか?

 

まず現地と登記を調べ、売却や隣地への譲渡の可能性を確認するのがおすすめです。最新統計でも、取下げ理由の半数以上は有効活用の見込みが生じたケースでした。国庫帰属は、売れない土地を無条件に処分する制度ではなく、複数の出口の一つです。

 

 

この記事を読んだ次の一歩|みかんいりこ不動産

 

相続土地国庫帰属制度を使えるか考える前に、土地の場所、地番、境界、建物、通路、農地・山林の状態を現地で整理する必要があります。みかんいりこ不動産は、周防大島で暮らし営業する不動産会社として、売却できる可能性と制度利用の準備を同時に整理します。まだ手放す方法を決めていなくても大丈夫です。

 

相談先を選ぶ基準は、周防大島で家を売るならどこの不動産会社に相談するべき?も参考にしてください。公開中の土地や中古住宅は、物件一覧で確認できます。

 

 

 

参考にした公式情報

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公式情報の確認日:2026年10月29日。個別の土地が対象になるかは、最新資料と現地状況を基に山口地方法務局本局へご確認ください。

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