top of page

周防大島で別荘・二拠点生活を始める前に|家選びと留守中の管理

執筆者の写真: honmyokazutake1
honmyokazutake1
2 日前
読了時間: 8分

周防大島で「週末だけ海の近くで暮らす」「仕事は都市部、生活の一部は島で」と考える人が増えています。国も二地域居住を後押しし、制度は追い風です。

 

ただし、週末住宅は毎日住む家より管理が楽とは限りません。漏水や雨漏りの発見が遅れ、庭木は道路へ伸び、台風後の損傷に気づかず、近所には「誰へ連絡すればよいか分からない家」に見えることがあります。

 

この記事では、2026年10月時点の法制度、周防大島町の空家実態、最近の移住・管理事例をもとに、別荘・二拠点生活を始める前の判断を具体化します。

 

周防大島では、空家はすでに「珍しい家」ではない

 

周防大島町の空家等対策計画によると、2022年の外観調査で町内11,813棟のうち2,371棟が空家と判定され、空家率は20.1%でした。このうち、比較的状態がよく活用可能性があるA・B判定は1,832棟、損傷が大きいC判定は429棟、倒壊など危険性が高いD・E判定は110棟です。

 

数字が示すのは、安い空家がたくさんあるという単純な話ではありません。人が離れた後、管理の差が建物の差になるということです。計画では、所有者が自ら適切に管理する責任を負うこと、町が定期的な状態通知などの支援を検討することも示されています。周防大島町空家等対策計画で全体を確認できます。

 

 

最近の事例|「買う」だけでなく「管理」が仕事になった

 

山口県の移住交流企画では、大阪から周防大島へ移住した人が、地域で高齢化と空家問題を目の当たりにし、空家管理事業を始めた事例が紹介されています。2025年の山口県公式移住アカウントの紹介です。

 

また、2026年には、ハワイで暮らしていた夫婦が周防大島の空家を約400万円で購入し、移住した事例が報じられました。Business Insider Japanの取材記事では、価格だけでなく、自分たちの暮らし方に合う場所を選んだ経緯が描かれています。

 

個別の購入価格を、他の物件の相場と考えることはできません。改修、残置物、接道、浄化槽、保険、維持管理で総額は変わります。ただ、都市部から島へ移る人がいる一方、その暮らしを支える空家管理も地域の仕事になっている、という二つの現実は参考になります。

 

 

2024年施行の二地域居住法は、家の管理を代行する制度ではない

 

2024年11月1日、改正広域的地域活性化基盤整備法が施行されました。自治体が二地域居住促進計画を作り、住まい、仕事、地域との交流を一体的に支える仕組みや、官民の全国的なプラットフォームが整備されています。国土交通省の二地域居住推進ページで制度を確認できます。

 

制度が後押しするのは、二地域居住を始めやすくする地域の環境です。個々の住宅について、換気、草刈り、台風後点検、保険、近隣対応を自動的に引き受けてくれるわけではありません。

 

また、税金、住民票、介護、子育て、車、自治会などは、生活の中心や利用実態によって扱いが変わります。「二拠点居住」という呼び名だけで優遇や免除が決まるものではないため、目的ごとに町や専門家へ確認します。

 

 

別荘と空家の境目は、呼び方ではなく利用実態

 

定期的に利用し、生活や保養のため適切に管理されている別荘が、直ちに空家法上の「空家等」になるわけではありません。一方、「別荘として買った」と呼んでいても、利用がほとんどなく、居住その他の使用が常態化していなければ、管理上の問題は残ります。

 

2023年12月施行の改正空家法では、放置すれば特定空家等になるおそれがある「管理不全空家等」への指導・勧告の仕組みが設けられました。市町村から勧告を受けると、住宅用地に対する固定資産税等の特例が外れることがあります。国土交通省の改正空家法の説明で確認できます。

 

固定資産税は、原則として毎年1月1日現在の所有者に課税されます。周防大島町の固定資産税案内も、購入前に確認してください。

 

 

島の家で傷みやすい場所

 

海に近い家では、塩分を含んだ風により、屋根・外壁の金属、給湯器、室外機、シャッター、車、自転車が腐食しやすくなります。山に近い家では、湿気、落ち葉、害虫、獣、倒木、斜面排水が課題になります。同じ島でも、風向き、標高、植生、日当たりで条件が変わります。

 

長期不在で特に見落としやすいのは次です。

 

  • 台風後の瓦、雨樋、窓、物置、飛来物

  • 止水栓より宅内側の漏水、凍結・配管劣化

  • 排水トラップの乾燥によるにおい・害虫

  • 床下・押入れの湿気、カビ、シロアリ

  • 庭木や竹の越境、落ち葉による側溝詰まり

  • 郵便物、チラシ、雑草による不在の可視化

  • 浄化槽ブロワー、ポンプ、冷蔵庫の停電後停止

  • 塩害による金属・電気設備の腐食

 

「月1回窓を開ける」だけでは、これらすべてを管理できません。物件ごとに点検項目を作ります。

 

 

購入前に1年間の管理表を作る

 

購入判断の前に、年間予定と費用の欄を作り、誰が担当するかを書き込みます。

 

毎月

 

  • 外周、屋根、窓、郵便物、侵入跡の確認

  • 室内換気、通水、排水、漏水メーターの確認

  • 浄化槽ブロワー、給湯器、分電盤の確認

  • 室内外の写真記録

 

季節ごと

 

  • 草刈り、庭木剪定、竹・つるの除去

  • 雨樋、側溝、排水桝の清掃

  • 害虫・シロアリ点検

  • エアコン、給湯器、車両の塩害点検

 

台風・豪雨・地震の後

 

  • できれば24~48時間以内の外観確認

  • 瓦、雨漏り、倒木、飛散物、斜面、水路の確認

  • 被害写真、保険会社への連絡、応急措置

  • 隣家・道路へ影響がないか確認

 

自分で来島できない場合は、地元の管理事業者、親族、近隣のうち、鍵を預けて緊急時に入れる人を一人ではなく複数決めます。善意の近所頼みを前提にせず、作業範囲、頻度、費用、事故時の責任を書面にします。

 

 

「年間維持費」は固定費と不定期費に分ける

 

物件価格とは別に、少なくとも次を見積もります。

 

毎年・定期的にかかるもの

 

  • 固定資産税、火災・地震保険

  • 電気、水道、通信、LPガスの基本料金

  • 浄化槽の保守点検、清掃、法定検査

  • 草刈り、庭木、空家管理、自治会等の負担

  • 本土側も含む交通費、車両維持費

 

数年ごと・突発的にかかるもの

 

  • 屋根、外壁、雨樋、給湯器、エアコンの交換

  • 井戸ポンプ、浄化槽ブロワー、排水管の修理

  • 倒木、台風、塩害、シロアリへの対応

  • 石垣、擁壁、私道、境界の補修・協議

 

金額は家の規模、立地、管理頻度で大きく違います。売主の過去2~3年の請求書と修繕記録を見せてもらい、地元業者から現地見積もりを取るのが現実的です。

 

 

保険会社へ「常時居住しない」と正確に伝える

 

火災保険は、建物の用途、使用頻度、管理状態で引受条件が変わることがあります。常時居住しない家を居住用住宅として曖昧に申告したまま契約すると、事故時に問題になるおそれがあります。

 

保険会社・代理店には、別荘または二拠点利用であること、年間利用日数、空室期間、管理者、築年、改修履歴を伝えます。風災、水災、家財、個人賠償、施設賠償、破損・汚損など、必要な補償をハザードと利用実態に合わせて選びます。

 

 

近所への連絡は「お願い」ではなく仕組みにする

 

二拠点生活で近所が不安に感じるのは、所有者が遠方にいること自体より、問題が起きたときの連絡先が分からないことです。

 

入居時に、両隣と自治会の担当者へ次を伝えます。

 

  • 所有者の連絡先と、地元の緊急連絡先

  • 通常の滞在頻度

  • 駐車、集積所、草刈り、共同作業の扱い

  • 台風時に誰が確認するか

  • 工事や来客があるときの連絡方法

 

個人情報を広く配る必要はありません。必要な相手と範囲を決め、変更時に更新します。

 

 

購入前の90日テスト

 

いきなり購入する前に、候補地の近くへ複数回滞在し、次を試してください。

 

1~30日:移動を試す

 

  • 平日夜、休日、雨の日に往復する

  • フェリーや道路の運休・渋滞時の代替を考える

  • 夜間の買い物、医療、給油、充電を確認する

 

31~60日:留守中の管理を試す

 

  • 台風後に自分がどれだけ早く来られるか測る

  • 地元の管理・草刈り・設備業者へ見積もりを依頼する

  • 鍵の預け先と緊急連絡の流れを作る

 

61~90日:総額を試算する

 

  • 取得費、改修費、家具、車、保険、税金、固定費を合算する

  • 5年以内の交換設備を洗い出す

  • 利用日数で割り、「一泊いくら」ではなく生活の価値として納得できるか考える

 

 

契約前の最終チェック

 

  • 自分が来られないときの管理者が決まっている

  • 月次・季節・災害後の点検項目が書面になっている

  • 草刈り、浄化槽、保険、通信を含む年間予算がある

  • 道路、境界、給排水、建物状態を専門家が確認した

  • 自治会、ごみ、駐車、緊急連絡の方法が分かる

  • 5年後に売る、貸す、定住する場合の出口を考えた

 

このうち一つでも「近所が何とかしてくれる」「買ってから考える」になっていれば、契約前に立ち止まる価値があります。

 

周防大島の二拠点生活は、海や季節を身近に感じられる魅力があります。その魅力を長く保つ鍵は、滞在日よりも留守の日の設計です。みかんいりこ不動産では、家選びと同時に、管理頻度、地元業者、近隣連絡、5年後の出口まで一緒に整理します。

 

 

主な確認資料

 

 

※本文は2026年10月29日時点で確認した情報です。空家法上の判断、税、保険、補助制度は利用実態や個別物件で異なります。必ず町、保険会社、税務・法律の専門家へ個別にご確認ください。

 

 

この記事を読んだ次の一歩|みかんいりこ不動産

 

周防大島の物件は、写真や価格だけでは分からないことが多くあります。進入路、駐車、境界、排水、浄化槽、災害リスクなど、購入後の暮らしに関わる点を現地で一緒に確認します。気になる物件が決まっていない段階でもご相談ください。

 

みかんいりこ不動産は、周防大島町で暮らしながら営業する地域密着の不動産会社です。会社概要もあわせてご覧いただけます。

 

 

コメント


bottom of page