top of page

相続人が10人以上!?田舎の不動産で起こりがちな「数次相続」の話

執筆者の写真: honmyokazutake1
honmyokazutake1
10月11日
読了時間: 9分

更新日:10月14日

この記事のポイント|「相続人が10人以上!?田舎の不動産で起こりがちな「数次相続」の話」を、周防大島の事情に合わせてやさしく整理します。

 

「親から相続した実家を売りたいんです」

 

不動産会社に相談して、さあ売却しよう。ところが登記簿を調べてみると、所有者は何十年も前に亡くなったおじいさんの名前。

 

「あれ?父親の名義じゃなかったの?」

 

実は、田舎の不動産ではこういう話が珍しくありません。そして、もっと驚くことがあります。

 

相続人を調べてみたら、なんと10人以上いた。

 

場合によっては20人、30人ということも。

 

どうしてそんなことになるのでしょうか。

 

今回は、周防大島のような地方で特に注意したい「数次相続(すうじそうぞく)」についてお話しします。

 

相続した実家について家族で相談する様子と周防大島の景色

 

 

相続人がどんどん増える「数次相続」とは?

 

数次相続とは、最初の相続手続きが終わらないうちに、相続人の一人が亡くなり、次の相続が発生することです。

 

例えば、こんな家族がいたとします。

 

1980年、おじいさんが亡くなりました。

 

おじいさんには4人の子どもがいました。

 

本来なら、相続人全員で話し合って実家の名義を変更するところですが、誰も手続きをしませんでした。

 

「まあ、長男が住んでいるんだから、そのままでいいだろう」

 

そんな感じです。

 

ところが、その後40年以上が経過します。4人の子どもたちも高齢になり、次々と亡くなってしまいました。

 

それぞれの子どもたちには、さらに子どもがいます。例えば、最初の4人の相続人が、それぞれ3人の子どもを残して亡くなったとしましょう。

 

すると、どうなるでしょうか。

 

相続関係に関わる人が、4人から12人に増えることがあります。

 

実際には亡くなった方の配偶者が相続人になる場合もあるため、さらに複雑になることもあります。

 

なお、これは仕組みを説明するための単純な例です。実際の相続人の範囲や持分は、亡くなった順番や家族構成、遺言・遺産分割の有無などによって変わります。こうした相続が何世代にもわたって繰り返されると、相続人が20人、30人という状況も起こり得るのです。

 

 

相続人が10人いたら、10人全員の同意が必要?

 

ここが大変なところです。

 

例えば、周防大島にある実家を売却しようと考えたとします。

 

しかし、登記名義人は40年前に亡くなった祖父。

 

相続関係を調べたところ、現在の権利関係者が12人いることがわかりました。その不動産を遺産分割によって一人の名義にまとめようとする場合、原則として関係する相続人全員による協議が必要になります。

 

12人のうち11人が賛成しても、残りの1人が反対すれば、そのままでは遺産分割協議は成立しません。

 

しかも、12人全員が顔見知りとは限りません。

 

「いとこの子ども?会ったこともないなあ」「東京に住んでいるらしいけど、住所がわからない」「そもそも、そんな土地があることも知らなかった」

 

こんな話になってしまいます。

 

不動産の価格が100万円でも1,000万円でも、相続人を確認して必要な手続きを進めなければならないことに変わりはありません。

 

ただし、すでに有効な遺産分割が成立している場合や、遺言がある場合など、全員で改めて協議する必要がないケースもあります。

 

 

100万円の土地なのに、手続きに何十万円も?

 

相続人が増えると、問題になるのがお金です。

 

例えば、周防大島にある土地を100万円で売却できるとします。

 

ところが、相続登記が終わっていません。

 

相続人は15人。

 

必要な戸籍を集めて相続関係を確認し、相続人の住所を調べ、遺産分割協議を進め、登記をする必要があります。

 

専門家に依頼すれば、当然費用もかかります。通常の相続登記なら司法書士への報酬は数万円から十数万円程度が一つの目安ですが、何世代にもわたる数次相続で相続人が多数いる場合、調査や書類作成などの費用が数十万円になることもあります。

 

さらに、相続人同士で意見がまとまらず、弁護士への依頼や家庭裁判所の手続きが必要になれば、費用はもっと大きくなる可能性があります。これは困ります。

 

100万円で売れる土地なのに、売却するための手続きに50万円かかる。

 

そんなことも、条件によっては起こり得るのです。もちろん、実際の費用は案件によって大きく異なります。しかし、相続を放置するほど手続きが複雑になり、結果的に不動産の価値に見合わない費用がかかってしまう可能性があるのは確かです。

 

 

「自分は相続したつもりがない」は通用しない?

 

ここも誤解されやすいところです。

 

例えば、祖父が亡くなったとき、長男が実家に住み続けたとします。

 

ほかの兄弟は都会へ出て、それぞれ家庭を持ちました。

 

誰も実家を欲しがらなかったので、なんとなく長男のものになったつもりでいました。

 

ところが、正式な遺産分割も相続登記もしていなかった。この場合、長男が住んでいるからといって、自動的に長男だけの所有物になるわけではありません。

 

原則として、遺産分割が成立するまでは法定相続分に応じた共有状態になります。その後、兄弟が亡くなれば、その相続上の権利や義務が次の世代へ引き継がれることになります。

 

「そんな家、いらないよ」「自分には関係ないと思っていた」

 

そう言いたくなるかもしれません。

 

でも、相続したくないという気持ちと、法律上の相続人であるかどうかは別の問題です。ちなみに、正式な「相続放棄」は家庭裁判所で行う手続きです。原則として、自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内に行う必要があります。

 

単に「私はいりません」と親族に伝えるだけでは、法律上の相続放棄にはなりません。

 

 

さらに困るのが、相続人と連絡が取れないケース

 

相続人が15人いても、全員が協力的なら手続きを進められる可能性があります。

 

ところが、そのうち1人の行方がわからないとしたら?

 

住所もわからない。

 

電話番号もわからない。

 

最後に会ったのは30年前。

 

こうなると、話はさらに難しくなります。

 

司法書士などの専門家に相談して相続人の調査を進めたり、状況によっては家庭裁判所の手続きを利用したりする必要があります。

 

ただし、連絡が取れない相続人がいるからといって、必ずしも売却が不可能になるわけではありません。

 

不在者財産管理人の選任など、法律上の手段が用意されている場合もあります。

 

大切なのは、面倒だからといって、さらに放置しないことです。

 

時間が経てば、また次の相続が発生するかもしれません。

 

そうなると、今度は相続人が20人、30人と増えていく可能性があります。

 

 

2024年から相続登記が義務化。昔の相続も対象です

 

こうした問題を減らすため、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。

 

不動産を相続で取得したことを知った日から、原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。

 

正当な理由なく義務を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

 

そして重要なのが、2024年4月1日より前に発生した相続も対象になるということです。

 

以前から相続したことを知っている未登記の不動産については、原則として2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。

 

つまり、2026年10月現在、期限まで残り半年を切っています。

 

ただし、相続人が極めて多数で調査に長期間を要する場合などは、登記できない正当な理由として考慮されることがあります。

 

また、遺産分割がまとまらない場合には「相続人申告登記」という制度もあります。

 

この制度を利用すれば、申出をした相続人について、一定の相続登記申請義務を履行したものとみなされます。

 

ただし、相続人申告登記をしただけで不動産を売却できるわけではありません。売却するには、別途、必要な相続登記などを行うことになります。

 

 

 

田舎の不動産こそ、相続を先送りしないでほしい

 

周防大島には、何十年も前から同じ家族が所有している土地や建物がたくさんあります。昔は、親が亡くなっても、そのまま長男が家に住み続けることが普通だったのかもしれません。

 

兄弟も特に何も言わない。

 

固定資産税も誰かが払っている。

 

それで何十年も問題にならなかった。

 

しかし、いざ売ろうとしたときに、相続登記をしていなかったことが大きな問題になります。

 

しかも、土地や建物の価値は必ずしも高いとは限りません。

 

数十万円、100万円、200万円という不動産もあります。

 

そんな不動産の相続手続きに多額の費用がかかることになれば、誰も積極的に動こうとしなくなってしまいます。

 

そして、さらに放置される。

 

これは地方の不動産が抱える大きな問題の一つだと思います。

 

 

相続登記が終わっていなくても、売却の相談はできます

 

「うちの実家、まだ亡くなった父親の名義なんです」「祖父の名義のままかもしれません」「相続人が何人いるのかもわかりません」

 

そんな状態でも、不動産会社への相談は可能です。

 

もちろん、相続関係を整理しなければ売却できないケースもあります。

 

しかし、先に確認しておきたいことがあります。

 

そもそも、その不動産はいくらで売れそうなのか?

 

ここがわからなければ、相続手続きにどこまで費用をかけるべきか判断できません。

 

例えば、500万円で売却できそうな不動産なら、数十万円の相続手続き費用をかけても十分に売却する意味があるかもしれません。

 

反対に、売却価格が30万円程度しか見込めない土地なら、慎重な判断が必要でしょう。相続手続きだけを先に進めるのではなく、不動産の市場価値を把握したうえで、どうするのがよいか考えることも大切です。

 

みかんいりこ不動産では、周防大島の不動産売却についてご相談を受け付けています。相続関係が複雑な場合は、必要に応じて司法書士などの専門家と連携しながら、売却に向けた方法を考えていきます。

 

東京、広島、福岡など、島外にお住まいの方からのご相談も歓迎しています。

 

相続した実家や土地をどうすればいいかわからない。

 

そんなときは、相続人がさらに増えてしまう前に、一度ご相談ください。

 

周防大島の不動産のことなら、みかんいりこ不動産へ。

 

 

 

この記事を読んだ次の一歩|みかんいりこ不動産

 

周防大島の売却では、建物の状態だけでなく、道路、境界、浄化槽、農地、山林、残置物など現地で確かめる項目があります。みかんいりこ不動産は島内の地域密着型不動産会社として、現地確認から販売方法の整理まで対応します。まだ売ると決めていない段階でも大丈夫です。

 

相談先を選ぶ基準は、「周防大島で家を売るならどこの不動産会社に相談するべき?」で詳しく説明しています。所在地だけでなく、調査・説明・販売活動の中身を比べてください。

 

 

 
 
 

コメント


bottom of page