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周防大島の斜面地で盛土・擁壁・排水を確認する手描きイラスト

周防大島の土地を買う前に盛土規制法を確認|2025年4月開始の区域・許可・擁壁

執筆者の写真: honmyokazutake1
honmyokazutake1
20 時間前
読了時間: 7分

周防大島で土地や中古住宅を見ていると、斜面をならした敷地、石積みやコンクリートの擁壁がある家、道路より高い宅地によく出会います。見た目が平らでも、下に盛土があるか、排水がどこへ流れるかは写真だけでは分かりません。


山口県では2025年4月1日から、盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)の運用が始まりました。購入後に造成や擁壁工事を考えている人だけでなく、古い盛土や擁壁のある土地をそのまま買う人にも関係する制度です。


結論:規制区域に入っているだけで「買えない土地」になるわけではありません。大切なのは、区域区分、過去の造成資料、擁壁と排水の状態、購入後に予定する工事を、契約前に切り分けて確認することです。

2025年4月1日、山口県で何が変わった?


盛土規制法は、2021年に静岡県熱海市で起きた土石流災害などを受け、危険な盛土を用途にかかわらず包括的に規制するために整備された法律です。法律は2023年5月26日に施行され、山口県では下関市を除く県内で2025年4月1日に規制区域を指定して運用を開始しました。


従来は宅地造成、農地、森林など土地の用途ごとに規制の仕組みが分かれていました。現在は、住宅用地だけでなく、農地・森林・資材置場などでも、一定規模を超える盛土・切土・土石の一時堆積が対象になります。


山口県は、おおむね県内全域を「宅地造成等工事規制区域」または「特定盛土等規制区域」に指定しています。周防大島町の詳しい区分は、県が公開する東部の規制区域図で筆ごとに確認し、図面だけで判断しにくい場合は県へ照会します。


なお、国土交通省の国土数値情報にも区域データがありますが、同サイトは重要事項説明や許可申請の法的根拠として使わないよう注意しています。売買では山口県の公式区域図と担当窓口の確認を優先してください。


区域内なら、すべての土地に許可が必要?


いいえ。区域に入っていることと、すぐに許可申請が必要なことは別です。盛土や切土、擁壁の新設・変更などを行わず、現況の土地をそのまま利用するだけなら、区域内という理由だけで新たな手続きが発生するわけではありません。


ただし、土地所有者・管理者・占有者には、既存の盛土を安全な状態に保つ責務があります。古い造成でも、危険性が認められれば、所有者や原因行為者などに改善命令が出る可能性があります。「昔からあるから関係ない」とは言い切れません。


宅地造成等工事規制区域で許可対象になり得る主な規模


山口県の案内では、盛土で高さ1m超の崖ができる場合、切土で高さ2m超の崖ができる場合、盛土と切土を合わせて高さ2m超の崖ができる場合が主な対象です。崖を生じなくても、高さ2m超の盛土や、標高差50cm超で盛土・切土する面積が500㎡を超える場合なども対象になります。


工事中だけ土を置く場合も無関係ではありません。高さ2m超かつ面積300㎡超、または標高差50cm超で面積500㎡超の土石の一時堆積は、同区域では許可対象になり得ます。


特定盛土等規制区域では、より大規模な工事が許可対象となり、それより小さくても一定規模なら着工30日前までの届出が必要になる仕組みがあります。造成形状、面積、高さ、区域区分で判断が変わるため、売主や仲介会社の口頭説明だけで決めず、計画図を用意して県へ確認するのが安全です。


盛土と擁壁、排水設備を点検する手描き図

古い擁壁がある中古住宅で確認したい資料


周防大島では、石積み、間知ブロック、コンクリート、空積みに見える擁壁など、年代も工法もさまざまです。擁壁があるだけで危険とは限りませんが、外から見た高さだけで安全性や適法性を判断することもできません。


まず探したいのは、造成時の許可書・検査済証、開発許可関係書類、建築確認の配置図や断面図、擁壁の構造図、工事写真、過去の補修記録です。資料が見つからない場合は、その事実を明らかにしたうえで、現況測量や専門家の確認が必要かを検討します。


現地では、擁壁のふくらみ・傾き・大きなひび割れ、排水穴の詰まり、擁壁上部の沈下、雨天時の水みち、敷地外への土砂流出、隣地側からの土圧を見ます。晴れた日の内見だけでは分からないため、側溝の土砂や苔、水の跡も手掛かりになります。


不動産会社ができるのは、資料を集め、現地状況を記録し、行政や専門家へつなぐところまでです。擁壁の構造安全性は建築士・構造の専門家、境界や高低差は土地家屋調査士、許可の要否は山口県など、それぞれの判断範囲を分けましょう。

建物を建てるときは、建築確認にも影響


山口県は2025年4月1日以降、建築確認の際に盛土規制法への適合状況も確認すると案内しています。建築確認済証の交付が同日以降になる申請では、盛土規制法の許可書や適合を示す書類などが必要になる場合があります。


つまり、「土地は買えたが、予定していた造成の手続きが終わらず建築確認が進まない」という順番の問題が起こり得ます。新築や大規模改修を前提に買うなら、売買契約前に造成計画を建築士へ見せ、県への事前相談と建築確認の段取りを合わせてください。


都市計画法の開発許可を受ける計画では、盛土規制法の許可を受けたものとみなす扱いになる場合があります。ただし、申請先や必要図面がなくなるとは限りません。開発許可、建築確認、農地転用、林地関係の手続きが重なる土地は、最初に全体工程を整理することが重要です。


契約前にそろえる実務チェックリスト


□ 山口県の公式区域図で、対象地がどちらの規制区域に入るか確認した


□ 宅地のどの部分が自然地盤で、どの部分が盛土・切土か、売主資料と現況から整理した


□ 造成・開発・建築確認・擁壁の許可書、検査済証、図面、工事写真、補修記録を探した


□ 擁壁のひび、傾き、排水穴、側溝、敷地内外の水みちを写真と動画で記録した


□ 購入後の駐車場拡張、庭のかさ上げ、擁壁改修、残土置場などを図にして県へ相談した


□ 建築士・土地家屋調査士・行政など、誰の確認が必要かを分け、見積りと日程を売買条件に反映した


□ 許可や安全性を確認できない部分を、重要事項説明と契約条件で曖昧なままにしていない


よくある質問


Q. 規制区域内の土地は、価値が下がりますか?


区域内という事実だけで一律に価値が下がるとは言えません。県内の広い範囲が指定されているためです。実際の評価には、造成履歴、擁壁と排水の状態、許可資料の有無、今後の工事自由度、補修費用が影響します。


Q. 50cm程度の庭のかさ上げなら自由ですか?


高さだけでは決まりません。面積、周囲との標高差、崖の発生、土量、区域区分、他法令との関係を合わせて見ます。小さく見える工事でも、擁壁を触る、隣地や道路へ排水が変わる場合は、計画前に相談してください。


Q. 古い石積みで書類がありません。違法ですか?


書類がないことだけで直ちに違法とは断定できません。築造時期、当時の法令、構造、改修歴を調べる必要があります。一方、資料がないまま「問題なし」と説明するのも危険です。事実と未確認事項を分けて買主へ示すことが大切です。


Q. 農地や山林なら盛土規制法は関係ありませんか?


土地の登記地目や用途だけで一律に対象外にはなりません。通常の営農行為など対象外となる行為もありますが、造成の内容によっては盛土規制法に加え、農地法や森林関係の手続きが必要です。計画内容を窓口へ具体的に示して確認します。


周防大島の土地は、現地と書類を一緒に見る


みかんいりこ不動産は、周防大島町東安下庄に事務所を置き、代表自身が島で暮らす宅地建物取引士です。道路、境界、災害リスク、擁壁、排水、設備を現地で見て、写真や動画も使いながら、島外にいる売主・買主にも状況を共有します。


許可の要否や擁壁の安全性を不動産会社だけで断定することはしません。分かること、資料がないこと、専門家や行政へ確認すべきことを整理し、購入後の計画まで含めて相談の順番を組み立てます。




あわせて読みたい







参考にした公式情報


・山口県「盛土規制法に基づく規制」/2025年11月10日更新


・山口県「盛土規制法の運用開始」案内・許可対象規模一覧


・山口県「盛土ハンドブック(令和7年4月)」


・山口県「盛土規制法Q&A」令和7年3月版


・山口県「建築確認申請時の盛土規制法適合確認」


・国土交通省「盛土規制法の概要」「盛土等の安全対策推進ガイド」


・国土交通省「重要事項説明における盛土規制法の説明」


確認日:2026年10月31日。制度・区域・窓口は変更される場合があります。工事や契約前に山口県の最新情報をご確認ください。

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